防衛装備庁、迎撃ドローンでテラドローンと量産調達契約締結

防衛装備庁、迎撃ドローンでテラドローンと量産調達契約締結

自衛隊の駐屯地や艦艇を、低コストで飛来する自爆型無人機からどう守るか。この課題に対応するため、防衛装備庁は2026年6月、迎撃ドローンを短期間で調達する新しい枠組み「迎撃ドローン早期取得プログラム」を立ち上げました。そして2026年8月25日、このプログラムに基づく量産調達契約が、TerraDrone株式会社との間で締結されたことが発表されました。本記事では、契約締結までの経緯と、現時点で分かっていること・今後の見通しを速報としてまとめます。

この記事のポイント
  • 防衛装備庁が2026年8月25日、迎撃ドローン早期取得プログラムに基づく量産調達契約をテラドローンと締結したと発表
  • 契約機種は「TerraB1」。7月の実証試験に参加した4機種のうち、単独で量産段階に進んだ
  • 実証試験から量産調達契約まで約3カ月という速いスケジュールで進行。今後の自衛隊全体への展開範囲は現時点で未公表

迎撃ドローン早期取得プログラムとは

防衛装備庁は2026年6月5日、「迎撃ドローン早期取得プログラムの実施について」を発表しました。攻撃型無人機や迎撃ドローンの役割が急速に高まっていることを踏まえ、自衛隊が駐屯地・基地・艦艇等の防御能力を高めるため、より迅速に実効性のある迎撃ドローンを獲得することを目的とした枠組みです。

特に、いわゆるシャヘド型やHARPY型など、長射程の自爆型無人機(高度18,000フィート未満・速度250ノット程度・重量600kg以下を目安とする低速・低空の飛翔体)への対処を想定しているとされています。同プログラムでは、民間企業から広く提案を募り、比較検討のうえで調達する計画が示されていました。防衛装備庁がどのような組織で、どういった調達を担っているかは、以下の記事で詳しく解説しています。

このプログラムの特徴は、通常の防衛装備調達と比べて調達スピードが極めて速い点にあります。日本経済新聞の報道によれば、公募から自衛隊への導入までおよそ3カ月という短期間を目指す制度設計だとされています。(参照:テラドローンが防衛装備庁の迎撃ドローンを受注 9月にも海自に納入 | 日本経済新聞)

実証機種の決定から量産契約まで

防衛装備庁の発表によると、海上自衛隊が2026年6月30日〜7月6日にかけて実証試験に向けた公募を実施し、7月15日、4区分すべてで実証試験を受託する企業が決定しました。このときに選ばれた4機種は次の通りです。(参照:迎撃ドローン早期取得プログラム | 防衛装備庁)

タイプ 機種 製造 契約相手方
タイプ1 BVQ404 Beyond Vision(ポルトガル) エアモビリティ株式会社
タイプ2 QS INTERCEPTOR QuantumSystems(ドイツ) 全日空商事株式会社
タイプ3 TerraB1 TerraDrone(日本) TerraDrone株式会社
タイプ4 IonStrike DZYNE Technologies(米国) 日本海洋株式会社

その後、7月15日から8月6日にかけて、海上自衛隊が各企業に委託する形で4機種の実証試験が行われました。防衛装備庁の発表によると、この結果を踏まえて8月25日、テラドローンとの間で量産調達契約が締結されています。

テラドローン公式サイトによると、同社のTerraB1は当初「38社からの提案」の中から実証試験用機種として選ばれ、その後の実証試験を単独で通過するかたちで量産段階に進んだといいます。同サイトの発表では「今後、量産調達に向けた協議・手続きに対応しながら…供給体制を構築してまいります」とも述べられており、これは契約締結後の数量・納期等の詳細を詰める実務協議を指すとみられます。(参照:テラドローンTerra B1実証試験通過について | Terra Drone Corporation)

テラドローンについては、会社概要や既存の防衛関連事業を以下の記事で詳しく紹介しています。

現時点で分かっていること

  • 2026年8月25日、防衛装備庁がTerraDrone株式会社との量産調達契約締結を発表したこと
  • 契約対象の機種はTerraB1であり、7月に実証試験を受託した4タイプのうち、量産契約に至ったのは今回の発表時点でTerraB1のみであること
  • 実証試験は海上自衛隊が委託する形で2026年7月15日〜8月6日に実施されたこと
  • プログラム全体として、実証試験から量産調達契約までを約3カ月という短期間で進める設計であること

今後見込まれること・現時点で不明な点

現時点で不明な点

以下の点は2026年8月25日時点の発表内容だけでは明らかになっていません。

  • 他の3タイプ(BVQ404、QS INTERCEPTOR、IonStrike)について、今後量産調達契約に進むかどうか、あるいは今回の選定から外れるのかは、現時点の発表には含まれていません
  • TerraB1の具体的な納入時期や数量については、詳細な公表がまだありません
  • 海上自衛隊以外への展開時期・規模も未確定です。テラドローン側は、海上自衛隊向け導入を起点に航空自衛隊・陸上自衛隊への展開も視野に入れているとしていますが、これは同社の見通しであり、防衛装備庁として正式に決定した計画かどうかは明確ではありません

今後見込まれること

迎撃ドローン早期取得プログラムはまだ動き始めたばかりの制度であり、今回の契約締結はその第一弾という位置づけといえます。同社は今後、量産開始に向けた国内生産・調達体制の整備や、部品・電池・通信・管制装置に関するサプライチェーンの強化、整備・補給・教育を含む運用支援体制の構築を加速させる方針を示しています。

まとめ

防衛装備庁の迎撃ドローン早期取得プログラムは、自爆型無人機の脅威増大を背景に、通常より大幅に短い期間で装備を調達する新しい枠組みとして2026年6月に始動しました。7月の実証試験を経て、8月25日にTerraDrone株式会社のTerraB1が量産調達契約に至ったことが、今回の発表のポイントです。他の3機種の扱いや今後の配備範囲など、まだ明らかになっていない点も残っており、続報が待たれます。

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AISブログ編集部

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