防災の日・防災週間とは?由来や期間、政府と自治体の取り組みを解説

防災の日・防災週間とは?由来や期間、政府と自治体の取り組みを解説

毎年9月1日が近づくと、テレビや職場で「防災の日」「防災週間」という言葉を耳にする機会が増えます。2024年の令和6年能登半島地震をはじめ大規模災害が相次ぐなか、企業のBCP(事業継続計画)や自治体の地域防災計画を担当する立場はもちろん、そうではないビジネスパーソンにとっても防災への関心は高まっています。とはいえ、防災の日がなぜ9月1日なのか、防災週間がいつからいつまでを指すのか、正確に説明できる方は意外と多くありません。

本記事では、内閣府防災情報のページなど政府の一次情報をもとに、防災の日・防災週間の由来と制度上の位置づけ、政府や自治体が呼びかけている取り組み、個人・家庭・企業が備えとして意識しておきたい視点を整理します。

この記事のポイント
  • 防災の日は関東大震災(1923年9月1日発生)にちなみ9月1日に制定、防災週間は毎年8月30日〜9月5日
  • 起点は1960年の閣議了解、1982年の閣議了解改定を経て1983年の中央防災会議決定で現行の期間に
  • 令和8年度は避難訓練の充実やデジタル技術の活用など、政府が自治体・企業・個人に実践的な備えを呼びかけ

防災の日・防災週間とは何か

防災の日とは、災害についての認識を深め、備えを充実強化することを目的として、毎年9月1日に定められている記念日です。これに合わせて、9月1日を含む1週間が防災週間とされ、全国で防災訓練や啓発行事が集中的に実施されます。

防災の日はなぜ9月1日なのか

9月1日という日付は、1923年(大正12年)9月1日11時58分に相模湾北西部を震源として発生した、マグニチュード7.9と推定される関東大震災に由来します。この震災は近代日本における災害対策の出発点と位置づけられており、その発生日にちなんで9月1日が防災の日と定められました。(参照:関東大震災100年 | 内閣府防災情報のページ)

防災週間の期間と制定の経緯

「防災の日」が制定されたのは1960年(昭和35年)ですが、現在の「防災の日及び防災週間」は、1982年(昭和57年)5月11日に決定されました。

現行の「8月30日から9月5日まで」という具体的な期間は、1983年(昭和58年)5月24日の中央防災会議決定によって定められたものです。台風や豪雨が多い時期と重なることも踏まえ、地震だけでなく台風・豪雨・豪雪・洪水・高潮・津波など幅広い災害への備えを充実させる週間として位置づけられています。(参照:防災週間の期間について | 内閣府防災情報のページ)

項目 防災の日 防災週間
期間 毎年9月1日 毎年8月30日〜9月5日
直接の根拠 1982年5月11日 閣議了解 1983年5月24日 中央防災会議決定
由来・目的 関東大震災(1923年9月1日発生) 災害への認識と備えの充実強化

(参照:「防災の日」及び「防災週間」について | 内閣府防災情報のページ)

政府(内閣府・消防庁など)が呼びかけている取り組み

防災週間の期間中、政府は防災知識の普及に向けた講演会・展示会の開催、防災訓練の実施、防災功労者の表彰といった行事を、地方公共団体その他の関係団体の協力を得て全国的に実施することとしています。

令和8年度の防災週間では、より実践的な訓練の実施が求められており、内閣府は具体的に次のような取り組みを掲げています。

取り組み 内容
避難訓練の充実 ハザードマップに示された地域の災害リスクを踏まえた訓練
避難情報伝達訓練 警戒レベル4までの段階的な全員避難の周知
要配慮者対応 視聴覚障害者や訪日外国人向けの多言語化、津波フラッグ等の活用
感染症対策訓練 避難所の開設・運営訓練の実施
デジタル技術活用 電子地図を用いた関係機関相互の情報共有

あわせて、8月26日を中心とした時期には「火山防災の日」の取り組みも実施され、火山防災マップの確認、噴火警戒レベルに応じた行動の周知、登山者へのヘルメット等の装備携行や登山届提出の呼びかけが行われています。(参照:令和8年度「防災週間」及び「火山防災の日」について | 内閣府防災情報のページ)

そのほか政府の動きで言うと、高市早苗首相は本日2026年9月1日、神奈川県厚木市で開催された9都県市合同防災訓練を視察し、自動体外式除細動器(AED)を用いた心肺蘇生法の訓練に参加しました。(参考:高市早苗@takaichi_sanae | X)そのほか、多くの省庁や自治体でも避難訓練等が行われています。

なお、平時の予防行政から発災時対応、復旧・復興までを一貫して担う司令塔組織として「防災庁」の設置も進められており、今後は防災週間の呼びかけ主体を含めた国の防災行政の体制そのものが変わっていく可能性があります。

自治体で行われている取り組みの傾向

防災週間中の具体的な取り組みは自治体ごとに異なりますが、内閣府が全国の実施主体に求めている項目からは、共通する傾向がうかがえます。消防庁も、地域の自主防災組織の育成やリーダー研修、少年消防クラブといった活動を通じて、平時から地域の防災力を底上げする取り組みを進めています。(参照:自主防災組織の育成 | 消防庁)

全国の自治体で共通してよく見られる取り組み例
  • 住民参加型の総合防災訓練・避難所開設運営訓練の実施
  • 自主防災組織の結成支援やリーダー育成研修
  • 家庭用備蓄品(食料・飲料水・簡易トイレ等)に関する広報・啓発
  • ハザードマップの配布・見直しと、避難場所の周知

こうした取り組みの実施状況や規模は自治体の財政事情によっても左右されます。防災関連予算がどのような枠組みで確保されているかについては、以下の記事もあわせてご参照ください。

個人・家庭・企業ができる備え

内閣府は「今すぐできる7つの備え」として、地震に強い住まいづくりや家具の固定、日ごろからの備蓄、家族での防災会議、地域とのつながりづくりなどを、大きな投資を伴わない実践的なアプローチとして提唱しています。事前に家族で避難場所や安否確認の方法を共有し、対処方法を相談しておくことで、いざというときに冷静に行動しやすくなるとされています。(参照:減災のてびき | 内閣府防災情報のページ)

また、首相官邸のWebサイトでは 防災の手引き~いのちとくらしをまもるために~ と言うページを公開し、災害の「備え」チェックリスト等を公開しています。こちらも参考にしてください。

出典:事前防災でいのちを守ろう 災害が起きる前にできること | 首相官邸

企業の視点では、防災週間は自社のBCP(事業継続計画)や災害対応マニュアルを見直す良い機会にもなります。従業員の安否確認手順や備蓄品の点検、取引先との連絡体制の確認など、年に一度は棚卸ししておきたい項目は少なくありません。

✎ AIS Insight

AISでは、ドローンによる被災状況の把握やGIS(地理情報システム)を用いたハザードマップの整備など、防災分野における新領域技術の動向を継続的に取り上げています。防災週間は、こうした技術面の備えを含めて自社・自組織の防災対応を見直すきっかけにもなります。

まとめ

防災の日は関東大震災の発生日(1923年9月1日)にちなんで定められ、その後の閣議了解・中央防災会議決定を経て、現在は9月1日を含む8月30日〜9月5日が防災週間として位置づけられています。

政府はこの期間、避難訓練の充実やデジタル技術の活用などを自治体に呼びかけており、自治体側も総合防災訓練や備蓄啓発といった取り組みを全国的に進めています。由来や制度の背景を理解しておくと、家庭や職場での備えの意味づけもしやすくなるでしょう。防災週間をきっかけに、家族での防災会議や企業のBCP見直しなど、身近な備えを一つ進めてみてはいかがでしょうか。

あわせて読みたい

AISブログ編集部

AISブログ編集部

「専門性の高いテーマをわかりやすく」を合言葉に、AI・ドローン・防災・安全保障・インテリジェンス領域の情報を発信中。官公庁や企業の一次情報を情報源とし、参照元を明記した正確な情報発信を心がけています。

まずは資料をご覧ください
サービス内容や最新事例をまとめた資料を無料でご提供します。

TOP